２024年、東京都内で新生児が「エコーウイルス11（E11）」に感染し、急性肝不全などによる死亡例が確認されました。このウイルス、通常は風邪を引き起こすだけですが、新生児にとっては命に関わる脅威となることがあるのです。
何が起きているのか？
国立感染症研究所によると、東京都内の医療機関で2024年8月から11月にかけて、新生児3人がE11に感染し死亡しました。症状は、母乳がうまく飲めない、嘔吐、黄疸などで、その後急性肝炎や肝不全を発症。一方、神戸市では同じウイルスに感染した新生児4人が確認されましたが、幸い全員退院しています。
2024年は、E11による重篤なケースがこれまでに44例確認されており、特に1歳未満の乳児が多くを占めています。死亡例が複数確認されたことは極めて異例であり、医療現場にも緊張が走っています。
なぜE11は新生児に危険なのか？
E11は、通常は風邪程度の症状を引き起こすだけで、場合によっては無症状のことも。しかし、新生児の場合、免疫機能が十分に発達していないため、急性肝炎や肝不全といった重篤な合併症を引き起こすリスクが高まります。
さらに、E11はアルコール消毒が効きにくいという特徴を持ちます。感染経路としては、出生前や出産時に母親からの感染、また出生直後の飛沫や接触感染が考えられています。
海外での状況と日本の現状
E11の問題は日本だけに限った話ではありません。2022年からヨーロッパでは新生児の重症例や死亡例が相次いで報告されており、急性肝不全を伴う特徴が注目されています。 日本でも過去に感染例は確認されているものの、これほど多くの重篤例が報告されたのは珍しいことです。そのため、日本小児科学会は医療機関や家庭に対して、感染防止の徹底を呼びかけています。
私たちにできる対策は？
小児科学会によると、E11はアルコール消毒では十分な効果が期待できません。そのため、以下のような対策が推奨されています
・石けんと流水による徹底した手洗い：おむつ交換や沐浴の際には特に注意が必要です。
・接触感染を防ぐ工夫：ウイルスの飛沫や接触を最小限に抑えるため、清潔な環境を保つことが大切です。
・感染が疑われる場合は早めの受診：嘔吐や黄疸などの症状が見られた場合、すぐに医療機関に相談しましょう。
結び：大切な命を守るために
エコーウイルス11の問題は、私たちに「予防の重要性」を改めて考えさせる出来事です。新生児はまだ外の世界に慣れておらず、親や周囲の環境に大きく頼っています。だからこそ、大人がしっかりと感染防止に努めることが必要です。
ウイルスと聞くと身構えがちですが、冷静に情報を知り、適切に対応することで、大切な命を守ることができます。これからも最新情報をキャッチし、家族や周囲と協力して安全な環境を作りましょう！
「気をつけすぎるくらいがちょうどいい」。そんな心構えで、赤ちゃんの笑顔を守る日々を過ごしたいですね。
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