サバが「高嶺の花」になる日――?

近年、物価高が続くなか、日本人の食卓に欠かせないサバにも影響が出ています。 

7年で漁獲量が半減、価格は40%アップ!

シンプルに味わえる塩焼きや、しっかり味が染み込んだみそ煮。サバは、日本人にとって最も身近な魚の一つですよね。 7

0代の方は「塩焼きとか味噌煮。体に良いから食べるように心がけています」と話し、60代の方は「週に3回くらい食べる。文化干し、塩焼き、サバ寿司。脂がのっているし、体に良いかなということで食べています」と、サバへの愛情が伝わってきます。 

 しかし、そんな庶民の魚にも価格高騰の波が押し寄せています。サバ類の漁獲量は、7年前の2018年には54.5万トンありましたが、徐々に減少し、おととしは26.1万トンと半分以下にまで落ち込んでいます。 

 それに伴い、卸売価格は2014年に1キロ387円だったものが、右肩上がりで上昇し565円に。10年でおよそ1.4倍になりました。 

 鮮魚店では、宮城県産マサバが1尾732円で販売されています。店先に並ぶマサバは長さ30センチほど、重さはおよそ400グラム。5〜6年前は同じ価格で、1キロ以上の大きなものが買えたというから驚きです。実質、3倍以上も値上がりしている計算になります。 

 30代の客も「魚のなかでも、手に取りやすい値段の魚だったので、手に取りにくくなると困ります」と嘆いています。 

さらに高騰?「900円にも」

このままではいけないと、水産庁が動き出しました。先日行われた検討会で、太平洋のサバ類の漁獲枠を今シーズンの35万トンあまりから、来シーズンは7割から8割減らす検討を始めたことを発表しました。 

 鮮魚店の藤井副店長は「もしかしたら1匹800円とか900円くらいになる可能性もあります。安価だったものがそれくらいになるので、やはり手は出しづらいですね」と心配しています。 

 では、サバに何が起きているのでしょうか。専門家によると「かつて2歳くらいで親になっていたが、今では4歳くらいになってやっと親になる。親になる前に獲ってしまっているという状況がある」とのこと。 

 明確な理由は分かっていませんが、海洋環境の変化によりサバのエサが減少し、成長が遅くなっている可能性があります。そのため、卵を産む成魚になる前に水揚げされ、漁獲量が減ってしまっていると考えられているのです。 

 水産庁は来月にも、最終的なサバの漁獲枠を決定する方針です。 

 サバがこのまま「サバイバル」し続けられるのか、私たちの食卓事情も気になるところ。次にスーパーでサバを見かけたら、その価格に思わず「サバ読んでない?」と聞きたくなってしまうかもしれませんね。

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