冬の北海道、オホーツク海沿岸には毎年、壮大な「流氷」の絶景が広がります。特にこの時期、網走市は多くの観光客で賑わい、「一度は見たい！」と遠方から訪れる人も少なくありません。
しかし、その一方で、近年増えているのが“流氷の上を歩くという危険行為。地元の人たちは「本当にやめてほしい…！」と頭を抱えています。
流氷ウォークの“落とし穴
流氷が見られるスポットには、「大変危険ですので、流氷の上には乗らないでください」という注意書きが日本語、英語、中国語などで表示されています。それでも、流氷の上へと続く足跡が…。
ある地元住民の方によると、砂浜と流氷の境目は非常にわかりにくく、目の前に広がる氷の先は、実はすでに海になっていることも多いそうです。
そして、足跡をたどっていくと…いました！流氷の上に完全に乗ってしまっている人を発見。地元住民がすぐに声をかけます。
> 「そこから先、危ないですよ！どこから海かわからないから！」
すると、観光客は「はい、はーい」「はい、やめます」と、慌てて戻ってきました。
…と、ここまでは良かったのですが、さらに驚きの光景が。なんと、小さな子供を連れた家族が、数十メートル沖の方まで歩いてしまっているではありませんか！
慌てた地元住民が、大声で叫びます。
> 「そこからそっちはもう海だから！あそこに落ちたら助からないよ！」
幸い、この声は届いたようで、家族連れもすぐに戻ってきました。
今年は特に危険！薄すぎる流氷
流氷の上を歩くことが危険なのは毎年のことですが、今年はさらにリスクが高まっています。
北見工業大学の舘山一孝准教授によると、今年は日本海から暖流が流れ込んだ影響で海水温が高くなり、流氷の量が過去最低レベルに。氷の厚さも通常より薄く、場所によってはたったの10〜20cmほどしかないそうです。
> 「スマートフォンの縦の長さくらいの厚さなので、人が乗って歩くには非常に危険な厚さと言えます。」（舘山准教授）
さらに、網走海上保安署の職員もこう警告しています。
> 「海中に転落してしまうと、海水温が非常に冷たいため、短時間で低体温症になり、数十分で命を落とす危険があります。」
…いや、めちゃくちゃ怖い話じゃないですか？💦
「見たことない景色」の代償は大きすぎる
では、実際に流氷の上を歩いていた人は、どうしてそんな危険な行動を取ってしまったのでしょうか？
問いかけると、戻ってきた観光客はこう答えました。
> 「見たことない景色が広がっていて…すごいなと思いました。でも、確かにちょっと怖いなと思いながら行っていました。地元の方が言うことは正しいので、気をつけたいです。」
うん、その気持ちはすごくわかります。普段は絶対に見られない壮大な流氷の世界、間近で体験したくなる気持ちは痛いほど理解できます。
でも、その「ちょっと怖いな」と思った感覚、めちゃくちゃ大事です！ そこに「これ以上行ったら本当にヤバい」というサインが隠れているんですよね。
安全に楽しむなら「プロのツアー」に参加しよう！
実は、流氷の上を歩くこと自体は「完全NG」ではありません。
専門のガイドが安全を確保しながら行う「流氷ウォークツアー」があるので、どうしても歩きたいなら、必ずツアーに参加するのが鉄則です。
ツアーなら、事前に適切な装備を整え、専門家の指導のもと、安全な場所を選んで歩くことができます。
「せっかくの流氷体験、命を落とすようなことは絶対に避けたい。」
そのためにも、無謀なチャレンジはせず、安全な方法で流氷を楽しみましょう！
0コメント