「冬タイヤから夏タイヤへ──忘れちゃいけない“増し締め”」

春の足音が近づいてきて、そろそろ冬タイヤから夏タイヤへの交換シーズンが始まる頃。けれど、タイヤ交換後に**注意すべき大問題**があるのを知っているだろうか?

それは、タイヤの脱落事故。しかも、驚くことに脱輪の約95%が左側で発生しているというデータもある。これは、単なる偶然ではなく、道路の構造や走行時の負荷が関係しているらしい。

なぜ左のタイヤが外れやすいのか?

国土交通省の調べでは、タイヤ脱落事故は特に大型車に多く、11~3月に集中しているとのこと。北海道や東北、北信越などの積雪地域での発生率が高く、冬タイヤの交換が原因の一つになっている可能性がある。

北海道警のデータによると、2023年に北海道で発生した60件の脱輪事故のうち、57件が左側のタイヤだった。

北海道科学大の北川浩史准教授(機械工学)によれば、日本の道路は排水のために端が低く設計されており、左側走行の日本では左に重心がかかりやすいとのこと。さらに、右左折時の負荷も左後輪に集中するため、点検時には特に左のタイヤに注意が必要だ。

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### **タイヤ交換後は「増し締め」を忘れずに!**

タイヤの脱落を防ぐために、北川准教授は**「増し締め」を徹底すること**を推奨している。

**増し締めとは?**

👉 **ナットを専用のトルクレンチで締め直す作業**のこと。

交換直後はしっかり締まっているように見えても、**走行中の振動や負荷でナットが緩むことがある**。だからこそ、交換後**50~100km走行した後**に増し締めを行うのが鉄則!

もし自分でやるのが不安なら、**プロの整備士にチェックしてもらうのがベスト**。

違法改造車のリスクは想像以上に危険

タイヤ脱落事故の中には、違法改造が原因となった悲惨なケースもある。

2023年11月、札幌市で車検後に違法改造された軽乗用車から左前のタイヤが外れ、近くにいた4歳の女の子に直撃する事故が発生した。女の子は意識が戻らないまま、今も懸命な治療が続いている。

北川准教授は、「違法車両はプロの点検を受けられないため、整備不良に気づきにくい」と警鐘を鳴らしている。さらに、事故を起こした場合でも、保険が適用されないことが多いため、被害者・加害者ともに大きな負担を負うことになる。

「うっかりミス」では済まされない違法改造。

安全を軽視した結果が、取り返しのつかない事故につながることを忘れてはならない。

「たかがタイヤ交換」と思わず、しっかり点検を!

冬タイヤから夏タイヤへの交換は、春の恒例行事かもしれない。だけど、その小さな作業が、大事故を防ぐカギになる。

交換後は必ず「増し締め」する!

不安なら整備士にチェックしてもらう!

違法改造は絶対にしない!

安全運転の第一歩は、「自分の車を正しく整備すること」

大切な人を守るためにも、この春のタイヤ交換は、慎重に行いたい。

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