春の訪れとともに、北海道では冬眠から目覚めたヒグマの目撃情報が相次いでいる。今年は昨年のドングリの豊作の影響で、子グマが多く生まれていると予想されている。となると、人との遭遇リスクも増える可能性が高い。各自治体や関係機関は、対策に向けた訓練やハンター育成を進めているようだ。
増えるヒグマの目撃情報
北海道警の発表によると、今年1月から3月末までのヒグマに関する通報は54件。昨年同時期の80件よりは少ないが、道ヒグマ対策室は「すでに全道で冬眠から目覚めている」と警戒を強めている。
2024年の通報総数は2609件で、前年の4055件より減少。また、ヒグマの捕獲数も昨年度の1804頭に比べ、今年度は暫定値で約700頭と大幅に減る見通しだ。これは昨年のドングリの豊作により、ヒグマが人里にあまり降りてこなかったためと考えられる。
だが、その反動として、今年は子グマが多く誕生し、親グマとともに行動するケースが増える可能性があるという。特に春先は、母グマが子グマを守るために人を警戒し、予想外の遭遇が増えると指摘されている。
若い雄グマの市街地進出に警戒
ヒグマの行動パターンとして、初夏になると若い雄グマが新たな縄張りを求めて移動する。この影響で、市街地への出没リスクが高まる。実際、2021年6月には札幌市東区の住宅街にヒグマが現れ、4人が襲われる事件が発生した。このようなケースが再び起きないよう、自治体も警戒を強めている。
現在、北海道には推定1万2200頭のヒグマが生息。1990年の5300頭と比べると、かなり増えている。当時は「春グマ駆除」によって積極的に頭数を抑えていたが、ヒグマの絶滅が危惧されるようになり廃止された。しかし、その後の増加を受けて、2023年からは「春期管理捕獲」が開始されている。
ハンターたちの挑戦と今後の課題
春のヒグマ捕獲は、雪の上に残る足跡を追いやすいことから効果的とされる。今年の捕獲数は2月末時点でゼロだが、ハンターたちは現場で技術の継承を進めつつ、ヒグマに「人里には近づくな」というプレッシャーを与えている。
あるハンターは、「冬眠明けのヒグマはまだ雪の下のドングリを食べているが、栄養を補給した後は活発に動き出す。これからが本番だ」と語る。
ヒグマとの共存は、北海道にとって避けては通れない課題。安全を守りつつ、ヒグマとどう向き合うか。今年もまた、知恵と経験が試される季節がやってきた。
✅ ヒグマに遭遇しないためのポイント
✔ 山菜採りや登山の際は、鈴やラジオを携帯し、ヒグマに自分の存在を知らせる
✔ 事前に自治体のヒグマ出没情報をチェック
✔ 新しい足跡やフンを見つけたら、すぐに引き返す
北海道の大自然を楽しみつつ、安全対策も万全に。春の山歩き、気をつけていこう!
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