【部活動と雷】奈良の落雷事故が突きつけた、屋外活動の「決断の難しさ」

こんにちは、スタイルです。

先日、奈良市の学校グラウンドで起きた落雷事故が、多くの人の心に衝撃を与えました。特に、屋外での部活動や体育の時間、突然の雷にどう対応すればいいのか…これは全国の教育現場が直面しているリアルな課題です。

今回、その難しさと対応のあり方について、雷の研究者であり、大学のサッカー部顧問も務める中部大学の山本和男教授のお話から考えてみました。

雷が来たら、どこに避難すればいいの?

答えはシンプルです。

「鉄筋コンクリートの建物」または「車の中」

とにかく、屋外にいてはいけません。

でも問題は、「いつ避難するか」という判断。

気象庁の「雷ナウキャスト」などで、雷の発生エリアを確認できるようになりましたが、黄色表示(警戒度中程度)の段階で活動を中止すると、かなりの時間を屋外で過ごせなくなることも…。

現場の指導者としては、「そこまでやるのか?」「いや、安全第一で…」というせめぎ合いがあるわけです。

実際にどう判断する?現場のリアル

山本教授によれば、「雷の音が聞こえたら、即避難」が一つの大きな目安。

また、中部大学では、民間の気象会社と契約し、雷の危険が迫るとグラウンドに赤色灯が点灯するシステムを導入しているとのこと。

さすが大学!…ですが、これを公立学校で導入するのは、現実的に難しいですよね。

となると、やはり「学校ごとに活動中止の明確な基準を作る」ことが大切になってきます。

いきなり来る雷…避けるにはどうしたらいい?

今回の奈良のケースは、雷鳴が一度も聞こえないまま、いきなりドーンと落ちたという非常に稀なタイプだったようです。

こうなると、指導者の責任で判断するのは本当に酷。

普段から「黒い雲が西から来たらやめよう」「ナウキャストが黄色になったら中止」といった明確なルールを決めておくことが、命を守ることに繋がります。

子どもたちに伝えたい「雷対策の基本」

登下校中に雷が鳴ったら…

以下のようなアドバイスが有効です。

- 電柱や電線の真下には近づかない

- 2メートルほど離れて沿って歩く

- グラウンドでは高いフェンスの2~3メートル離れたところを通って避難

雷は高いものに落ちやすいため、こうした行動がリスクを下げることに繋がります。

✨おわりに──「見えない危険」に備えるには

自然の力は時に、私たちの予想を超えてきます。

雷もそのひとつ。どんなに備えていても、すべてを防ぐのは難しいかもしれません。

でもだからこそ、ルールを作っておくこと、避難行動を訓練しておくこと、そして「おかしいな」と感じたら、迷わずやめることが大切です。

大事なのは、活動そのものではなく、「命」だということ。

子どもたちの安全を守るために、大人ができる準備と判断、日々見直していきたいですね。


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