沈黙の春ふたたび?北海道で広がる鳥インフルと海の異変

北海道・根室の海辺で、野鳥やアザラシ、ラッコの異変が続いています。

3月中旬以降、高病原性の鳥インフルエンザが猛威を振るい、すでに600羽以上の海鳥と複数の海生哺乳類の死骸が確認されています。

エトロフウミスズメ、ウミネコ、オオセグロカモメなど、海岸で次々と命を落としている鳥たち。

その中には、環境省のレッドリストに載る貴重な種も多く含まれています。

最初の発見は3月14日。歯舞漁港で拾われた海鳥の死骸からA型インフルエンザウイルスが検出され、

その後も異常行動をする海鳥の目撃が相次いでいます。

ふらついて立てない、突然倒れる、その場で回転する――まるで「沈黙の春」を思わせる異様な光景です。

アザラシやラッコも無関係ではありません。

4月以降、衰弱や死亡した個体が見つかり、一部から鳥インフルエンザの陽性反応が出ました。

「感染した死骸をワシが食べていた」という報告もあり、感染の連鎖も懸念されています。

今、海鳥たちは繁殖期を迎えています。

集団繁殖地(コロニー)での感染拡大が起きれば、さらなる大量死の危険性も。

根室の外山学芸員は「感染ルートは不明」としつつも、調査を続けながら警戒を呼びかけています。

海や野鳥と共に生きる私たち。

その自然の異変を、決して他人事にしてはいけません。


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