「パンが主食」に逆転現象？コメ高騰で変わる日本の食卓とパン屋の明暗

こんにちは、日々の食卓に関心のある皆さんへ。

今回は、コメとパンの価格が私たちの暮らしや商売にどう影響しているのか、少し掘り下げてみたいと思います。

2025年、コメの価格高騰がニュースをにぎわせる中、実は「パン屋の倒産が減少している」という興味深い現象が起きています。

1～4月の倒産件数はわずか7件。前年の13件からほぼ半減しました。

その背景には、もちろん一時的な小麦価格の安定や価格転嫁の成功もありますが、注目すべきは「パンの方が安いから」という家計目線の変化。

たとえば、6枚切り食パンは1枚あたり約35円。一方、コメはお茶碗1杯で約50円。3人家族で1日1食と考えると、月に1,350円もパンの方が安くなる計算です。

コロナ禍での融資支援が終わった後、高級パンブームの反動と物価高が直撃し、2024年にはパン屋の倒産が過去20年で2番目に多い31件に達しました。しかし2025年に入って流れは一変。

コメが高くなったことで、パンが“お得な主食”として見直されてきたのです。

ある意味、パン屋さんにとってはコメ高騰という逆風が、思わぬ追い風になっているとも言えます。もちろん、原材料や光熱費の負担がゼロになったわけではありませんが、家計防衛のニーズと相まって、パン業界に希望の光が差してきたようです。

政府が備蓄米を放出するという動きもありますが、当面はコメ価格が大きく下がる見通しはなし。

かつてない状況の中で、パン屋の“再評価”が静かに進んでいるようです。

この価格変動が、私たちの食の選択だけでなく、地域のパン屋さんや農業の未来にも影響していくかもしれません。