「富山湾の宝石」とも称されるシロエビが、ここ最近、漁獲量の激減に見舞われています。
原因は、昨年1月に発生した能登半島地震にあるとされています。
富山大学の研究チームは、地震の影響で富山湾の海底に「地すべり」が起き、その結果として\*\*乱泥流(らんでいりゅう)\*\*と呼ばれる現象が発生したことを突き止めました。
水中ドローンの映像には、海底350メートル付近に散乱する岩石や、濁った水が渦を巻くような様子が記録されています。
この乱泥流は、土砂が巻き上げられ、粘性のある泥水となって海底全体を覆う大規模な現象です。
例年の10万〜100万倍の規模とも推定され、シロエビやベニズワイガニなど、底生生物の生息環境が著しく悪化しました。
今年4月の漁獲量は例年の4割以下となり、一部の漁協では休漁も余儀なくされています。
海底の堆積物からは、粗い砂や岩石が不規則に重なり、急激な変化があった痕跡が見られました。
立石良准教授は「まるで水中の公害のようなもの」と語り、海中における“環境破壊”の実態を強調しています。
富山湾の豊かな海の幸を取り戻すには、今後も調査と環境改善の努力が必要とされます。
私たちも自然災害とその影響について、改めて向き合う時なのかもしれません。
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