今日は医療とテクノロジーの最前線、まさに「未来が今」な話題をご紹介します。

ついに、日本発の革新的な治療が大きな一歩を踏み出しました。

京都大学と東和薬品などの研究チームが、遺伝性認知症のひとつである「家族性アルツハイマー病」を対象に、iPS細胞を活用した創薬で開発された治療薬の“最終治験”に突入したのです。

これは、いわゆる「iPS創薬」が初めて治験の最終段階に進んだという、まさに歴史的なニュース。

対象となるのは、比較的若くして発症する家族性アルツハイマー病の中でも、特定の遺伝子変異による患者さんたち。国内にはわずか約100人しかいないという希少なケースです。

この治療に用いられるのは「ブロモクリプチン」という既存薬。パーキンソン病の治療にも使われてきたこの薬が、なんとiPS細胞で作った患者由来の細胞を使って、アルツハイマー病にも効果がある可能性が示されたのです。

2020年から22年にかけて行われた初期治験では、安全性が確認され、症状を抑える兆しも見えました。

そして今年5月、三重大学病院で最終治験がスタート。今後、全国約10カ所の医療機関に広がり、2028年3月まで続く予定とのこと。合計24人の患者が参加し、半数には偽薬も使うという、厳密な方法で効果を測定していきます。

患者さんは毎日4〜9錠を服用し、約1年近くかけて治療効果を評価します。

会見で井上教授は、「ここまで来るのに多くの協力があった。患者の皆さんに感謝したい」と語りました。その姿勢に、医療に対する誠実さと、iPS創薬の未来への熱い想いがにじみ出ていました。

この研究が実を結び、将来的には一般的な治療法として多くの人に届く日が来ることを願ってやみません。

iPS細胞とともに、医療の未来がまた一歩前進しています。続報にも期待しつつ、私たちもその動きをしっかり見守っていきましょう!

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