今日はちょっとユニークで、地球にも牛にもやさしい研究のお話を紹介します。環境に興味がある方はこちらのページもぜひご覧ください。
温暖化の一因として知られる「牛のゲップ」。実はこれ、牛の胃の中の微生物による発酵で発生する「メタンガス」が原因なんです。メタンはCO₂の約28倍もの温室効果がある強力なガス。日本でも、農業分野から出る温室効果ガスのうち、約2割がこの“牛の消化活動”によるものだそうです。
そこで注目されたのが「海藻」。なんと、新潟県の研究で、海藻を牛の餌に混ぜることでメタンの排出量を平均4割も削減できるという成果が出たのです!
使用されたのは、アカモクという海藻。フリーズドライにして粉末にしたものを餌の20%に混ぜて使うと、牛の第1胃で発生するメタンが大幅に減ったとか。カギとなっているのは、アカモクに含まれる「ポリフェノール」。これがメタン古細菌の働きを抑えるようです。
しかし、実際の牛に食べてもらうとなると、課題は山積み。牛が海藻の風味を好むか? 栄養バランスや肉質・乳への影響は? 現段階ではまだ“瓶の中の実験”ですが、可能性は広がります。
研究チームでは、柿の皮や大豆、米ぬかといった他の天然素材との組み合わせも模索中。サプリメントのように餌に少しずつ混ぜ込むことで、環境にも牛にもやさしい“持続可能な畜産”を目指しています。
このような研究が進めば、私たちの食卓に並ぶ牛肉や牛乳も、より環境負荷の少ないものになっていくかもしれませんね。
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