Z世代の「ごちそう観」が変わる――ステーキはもう主役じゃない?

かつて“ハレの日の王者”だったステーキ。昭和育ちの多くにとって、それは「今日は特別な日」と感じさせてくれる、まさに外食の象徴でした。 

 しかし、令和を生きるZ世代にとって、その輝きはやや色あせてきているようです。 SNSを覗けば、「焼肉や寿司のほうがいい」「ステーキ食べるならスイーツに課金したい」といった声が目立ちます。

その背景には、実に合理的で感覚的な理由がありました。 たとえば、「噛むのが疲れる」「脂が重たい」「高い割に満足感がない」など…。

ステーキはもはや“贅沢”とは言えない存在に? 

 また、Z世代は“もちもち食感”に慣れ親しみ、“コスパ”と“手軽さ”を何よりも重視する世代。ナイフとフォークを使って切り分けるという行為さえ、「面倒」「時間がかかる」と映るようです。 

 さらに健康志向も影響して、「赤身肉より鶏肉のほうがいい」「脂が多いと胃がもたれる」といった声も。 

 このようにして、かつての“ごちそう”だったステーキは、Z世代にとって“疲れる食べ物”“避けたい選択肢”になりつつあります。 

 では、今の若者にとっての“ごちそう”とは? それは「高級」であることではなく、

「自分が本当に食べたいもの」

「好きな人と一緒に楽しめるもの」。

 コンビニのチキンでも、カフェのサンドイッチでも、自分の気持ちがこもっていれば、それで十分に“贅沢”。 

 「無理して誰かに合わせない」

「今の自分にちょうどいいものを選ぶ」。

そんな価値観がZ世代の中に根付いているようです。

 ごちそうの定義は、“高価”から“共感”へ――。 ……とはいえ、昭和生まれの筆者も、あのジューシーな肉の香りを嗅いだら、つい「今日はステーキかな」なんて思っちゃうのですが(笑) 

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