こんにちは、スタイルです。今回は海の中で起きている“世代間の記憶の断絶”に関する驚きのニュースをご紹介します。
その舞台は、北欧・ノルウェー。世界最大のニシン群が突如、伝統的な産卵場所を放棄して北へと移動を始めた──その背景には、\*\*「記憶の喪失」\*\*という驚きの生態現象が隠されていたのです。
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📖 回遊魚ニシンが伝える“世代の知恵”
ニシンは代々、高齢の個体が若い魚たちに移動ルートや産卵場所を教えるという“文化的な移動”を行ってきました。南ノルウェーの沿岸で産卵するルートも、そうした世代間の学習によって守られてきたものです。
ところが近年、そのバランスが崩れ始めていました。
🎣 選択的漁業が“先生”を失わせた
狙われたのは高齢のニシンたち。漁業圧がこの“経験豊かな教師役”を激減させ、2019年から2023年の間にその数は約68%減少。かつて400万トンいた高齢魚が、130万トンにまで減ってしまったのです。
そして2016年に生まれた大規模な若年世代が成熟する頃には、\*\*「誰も教えてくれない」\*\*という異例の事態に直面しました。
🧭 行き先がわからない若いニシンの選択は…
教えてもらえない若者ニシンたちは、自分たちのルートを開拓するしかありません。すると彼らは南へは向かわず、北のロフォーテン諸島で産卵を始めたのです。
この移動はなんと800km以上のルート変更。その結果、驚いたことに少数残った高齢魚までもが、若い世代に“ついていく”ようになってしまったのです。まさに文化の逆転現象。
🌍 変わる生態系への影響
ニシンの産卵は、海鳥や大型魚、海洋哺乳類にとっても重要な食料源。その産卵場所が北へずれることで、沿岸生態系全体に影響が及ぶ可能性があります。
さらに気候変動による植物プランクトンの時期変化や分布のズレも、若年世代と高齢世代が出会えなくなる要因となり、記憶の継承をますます困難にしているようです。
📝 まとめ:ニシンの未来は“記憶”にかかっている?
人間の介入が海の中の“文化”までも変えてしまう──今回の研究は、そんな警鐘を鳴らすものでもあります。
今後、漁業資源をどう守り、自然とのバランスを取り戻していくか。これはニシンだけでなく、あらゆる生物と私たちの未来に関わる大きな課題です。
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