こんにちは!海と天気のちょっとディープな話題をお届けする スタイル です。
黒潮大蛇行とは?
本州南部を流れる暖流「黒潮」。
その流れが紀伊半島や東海地方から大きく南に離れて曲がる現象を「黒潮大蛇行」と呼びます。
実はこの大蛇行、2017年8月から 7年9カ月もの長期間続いていたのですが――
なんと、今年の4月にひっそりと終息していたことがわかりました。
どうして大蛇行が注目されるの?
黒潮の流れ方は気候に大きな影響を与えます。
大蛇行が起きると、関東や東海の沿岸部は暖流に覆われ、
湿った空気が発生しやすくなり「関東の猛暑の一因」に。
さらに、2019年の台風19号のときには、高潮被害を引き起こす要因のひとつともされました。
つまり「海の流れひとつで天気も災害も変わる」というわけです。
では、今年の異常な暑さは?
「大蛇行が終息したから暑さも収まるのでは?」と思いきや……
実際はそう簡単ではありません。
気象庁によると、今年の記録的な猛暑は別の要因。
・偏西風が北寄りに流れたこと
・太平洋高気圧が強力に張り出したこと
・本来は海を冷やすはずの海水温までもが上昇したこと
これらが重なり、全国的に「灼熱モード」になったのです。
今後の影響は?
黒潮大蛇行が終わったことで、漁業や農業にも影響が及ぶ見通し。
漁場の変化や作物の生育環境にもつながるため、農業関係者にとっては要チェックのニュースです。
ただ、気象庁は「当面、大蛇行の再発はない」と見ています。
7年9カ月続いた“大蛇行ライフ”も、いよいよ一段落といったところ。
おわりに
黒潮大蛇行の終息は、気候や産業に大きな変化をもたらす可能性があります。
とはいえ、今年の暑さは別の要因によるものだったというのが興味深いところ。
……それにしても、7年9カ月も「大蛇行」していたのに、
いざ終息すると「だから何?」とスルーされがちなのは少し切ないですね(笑)。
気象の世界も、人間関係と同じで――
「存在しているときより、いなくなったときにありがたみが分かる」ものなのかもしれません。
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