なぜイヌはわが子のようにかわいいのか ― 科学が語る「特別な関係」

犬を飼っている人ならわかるはず。 なぜだか、まるで自分の子どものようにかわいくて仕方がない。ごはんをあげるとき、寝顔を眺めるとき、つぶらな瞳で見上げられるとき――胸がいっぱいになって守ってあげたくなる。 実はこれ、気のせいではなく科学的に証明されている事実なんです。

 ヒトの脳は「イヌ=赤ちゃん」と認識している? 

 2014年に発表された研究では、母親に自分の子どもと飼い犬の写真を見せ、そのときの脳の働きをMRIで調べました。 すると驚きの結果が。

 * 子どもを見たとき 

* 犬を見たとき 

 …どちらのときも、愛情や絆に関わる脳の領域が同じように反応していたのです。 

 つまり私たちの脳は、犬に対しても「かわいい赤ちゃんを見るとき」とほぼ同じ反応をしているというわけ。 

オキシトシンが絆を深める

さらに、人間と犬が見つめ合ったり、触れ合ったりすると、脳内で「愛情ホルモン」と呼ばれるオキシトシンが分泌されることも分かっています。 これは親が赤ちゃんを抱くときに出るホルモンと同じ。 

 犬と遊べば遊ぶほどオキシトシンが出て、「もっと一緒にいたい」と思わせる。 これが繰り返され、気づけば犬は家族同然の存在に。

  なぜ犬は“子どもっぽい”のか?

犬は人間に飼われる中で、数千年かけて「人間にかわいがられる性質」を進化させてきました。

 丸い頭、大きな目、表情豊かな顔。 遊ぶ姿も、ぬいぐるみを抱えたり、ボールを追いかけたり

――まるで2~3歳の子どものようです。 

 科学者いわく、犬は“人間の赤ちゃんのスイッチ”を押す存在になった、ということ。 

 犬は「家族」そのもの

もちろん、犬と子どもは違う。子どもは成長し、新しいことを学び、親に誇らしい瞬間を与えてくれます。 一方、犬は永遠に「かわいいまま」。それでも、毎日ごはんをあげ、健康を気遣い、旅行先まで一緒に連れて行くのは、愛情が本物だからこそ。 

 ある飼い主はこう言います。 「我が家は、あの子たちなしには我が家ではありません」

 おしまいに

――犬は赤ちゃんのようにかわいく、人間は親のように愛さずにはいられない。 科学が証明したのは、私たちがずっと心で感じていたことでした。 だから今日も、うちの“毛むくじゃらの子ども”を抱きしめたくなるのです。

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