一度は日本の空から姿を消した国の特別天然記念物「コウノトリ」。
2005年に兵庫県豊岡市で初めて野生復帰の放鳥が行われてから、今年でちょうど20年。
あの時わずか5羽だったコウノトリは、いまや全国で561羽にまで増えました。
まるで奇跡のような数の回復劇。その裏側には、地域の人々や研究者、農家の並々ならぬ努力がありました。
■ 「餌がない」からの挑戦
コウノトリが絶滅した大きな理由の一つが「餌不足」。
湿地や水田の減少、農薬による生き物の減少で、彼らが食べるカエルや魚がいなくなってしまったのです。
そこで豊岡市では「コウノトリ育む農法」として、無農薬・減農薬のお米作りにシフト。
今では作付面積が **42ヘクタール → 512ヘクタール** に拡大し、給食にまでそのお米が使われるようになりました。
まさに「田んぼから空へ」つながる取り組みですね。
■ 新たな課題も…
もちろん順調なことばかりではありません。
巣を電柱や電波塔に作ってしまい救護が必要になるケース、飛び回る中での事故、そして増えすぎたコウノトリを識別・管理する作業の負担も増しています。
郷公園の園長は「コウノトリは増えたが、生態系のバランスはまだ追いついていない」と語り、国を挙げた次のステージへの関与を求めています。
■ 20年の結晶
絶滅からの復帰は、簡単に言えば「人と自然の関係を見直す挑戦」でもありました。
田んぼを守り、農法を変え、人が知恵を絞った結果、コウノトリが舞い戻った。
数十年後、「あの頃は大変だったけど、コウノトリが飛ぶ風景を守れた」と笑って話せる未来が来るかもしれません。
最後に
コウノトリが帰ってきた空は、ただの青空ではなく、人と自然の共生の証。その翼は、未来への希望を運んでいるのかもしれません。 🌏✨
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