「醤油って、何色?」
突然そう聞かれたら、あなたはどう答えますか?
きっと多くの人が「黒っぽい茶色」と答えるでしょう。
でも、実は──透明の醤油もあるんです。
東京の日本科学未来館で開かれた夏の学習イベント。
150人の小学生たちに向かって、講師が問いかけました。
「醤油の色、何色だと思う?」
「茶色!」「黒!」「赤っぽい!」と、元気いっぱいの声。
けれど講師は、にっこり笑って言いました。
「実は、透明の醤油もあるんですよ」
子どもたちの目が一斉に丸くなったその瞬間、
まさに“アンコンシャス・バイアス(無意識の思い込み)”に気づいた瞬間でした。
🌈 “当たり前”を疑うって、大切なこと
「男の子はスカートをはかない」
「災害が起きても、きっと自分は大丈夫」
「私なんて無理に決まってる」
──これらも全部、無意識の思い込みです。
思い込みは、自分を守ることもありますが、
同時に、自分や誰かを“知らないうちに傷つける”こともあります。
東京の白百合学園小学校では、この「アンコンシャスバイアス」を
国語や道徳の授業の中で教え始めているそうです。
ある児童はこう書きました。
> 「みんなが手を挙げていたら、自分も分からなくても挙げてしまう」
──そう、これが“同調バイアス”。
でも、気づくことで変われる。
「思いやりの心を持ちたい」「友達が増える」
そんな前向きな感想が子どもたちから返ってきたそうです。
🪞 問いかけることが、気づきの第一歩
アンコンシャスバイアス研究所の守屋智敬さんは言います。
> 「質問を重ねることが、自分自身の気づきにつながる」
誰かと違う意見を聞くこと。
それを面白がれること。
それが、思い込みから自由になる第一歩なのかもしれません。
🍶 そして…
イベントの最後、講師がもう一度尋ねました。
「じゃあ、“透明の醤油”を見たら、何を思いますか?」
ある小学生の答えが、場内を笑顔にしました。
> 「うちのママ、きっと“味が薄そう”って言うと思う!」
──まさに、思い込みの連鎖(笑)。
でも、そんな“素直な気づき”こそが、学びのスタートラインなのかもしれませんね。
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