急増する“南米ネズミ”との知恵比べ
静岡・浜松市の田んぼの片隅――。
茶色い影がスルスルと水路を進む。
正体は「特定外来生物」ヌートリア。
南米生まれのこの大型ネズミが、いま日本の田んぼを荒らしまくっています。
🌾 イネ・野菜・レンコンも食べ尽くす!
ヌートリアは草食性で、水辺の植物や作物の柔らかい部分が大好物。
「稲の上半分を全部食べられちゃう」
「2割ぐらいは収穫が減るかも」――農家さんの悲鳴が止まりません。
体長は最大70cm、前歯はオレンジ色。
しかも年に2〜3回出産し、1回で5〜6匹生むという**圧倒的な繁殖力**。
まさに“増える毛皮の怪物”です。
😨 人里にも出没、時には“かみつき”も…
水路を伝って移動するため、ヌートリアは人の生活圏にも入り込みます。
実際、農作業中に足をかまれたという被害報告も。
「攻撃的な面もあるので、見つけても近づかないで」と専門家は警告します。
🍝 驚きの対策「食べて減らす」
そんな中、静岡県菊川市では“食材化”という逆転の発想が登場。
西欧料理店「サヴァカ」では、なんと「ヌートリアのパスタ」が人気メニューに!
トマトソースで煮込んだロースト肉は、
「鶏肉みたいに柔らかくて、クセがない」と好評なんです。
シェフ曰く、
> 「どの個体も柔らかくて旨味がある。淡泊だけど、意外と上品な味。」
さらに、毛皮は**座布団や教材のはく製**、肉は**ペットフード**にも再利用。
まさに「駆除から循環へ」――新たな共生の形が見え始めています。
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## 🚨 とはいえ、油断は禁物
専門家は「浜松を越え、東日本へ広がるのは時間の問題」と警鐘を鳴らします。
今のうちにスピード感を持って対策を進めないと、
関東の田んぼや河川でも同じ被害が起こるかもしれません。
💭 そして
毛皮目的で“人の都合”で持ち込まれたヌートリア。
今は「食べて駆除」される運命に。
なんだか少し皮肉な話ですね。
でも――もし私たちが自然との関わり方を間違えた結果なら、
“食べて向き合う”ことも、一つの責任なのかもしれません。
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