「人工流れ星」と聞いて、最初に思うのはロマンか、それともSFか。
でもそれを本気でやっている会社が、東京・港区にある。
宇宙ベンチャーALEが、世界初の人工流れ星実証プロジェクト
「Starlight Challenge」を発表した。
目標は2028年度の宇宙実証。今回が、いわば3度目の正直だ。
これまでALEは、2019年に2回、人工流れ星用の衛星を打ち上げている。
しかし結果は悔しいものだった。
流れ星の“タネ”である金属球を宇宙で放出することができなかったのだ。
原因は、宇宙ならではの落とし穴。
真空環境で金属同士が接触すると、まるで溶けたかのようにくっついてしまう「固着」という現象が起きる。 地上では想像しにくいが、宇宙ではそれが“普通に起こる”。
失敗を経て、ALEは装置を作り直した。
ピストンとバネだけだった放出機構にモーターを追加し、逆回転も可能に。
金属球の素材も変更し、「くっつかない」方向へ全振りしたという。
代表の岡島礼奈さんはこう語っている。
「この失敗があったから、今ここにいる」
そして記者からの質問。
「次は成功する確率、何%ですか?」
答えは、
「科学的には100%とは言えない。でも、気持ちの上では100%」
このあたり、理系とロマンのちょうど境目で、嫌いじゃない。
人工流れ星は、ただのエンタメではない。
高度60〜80kmの「中間圏」は、観測が難しい“空白地帯”。
流れ星を使えば、大気成分や風速などの貴重なデータも得られる。
しかも今回は、パートナー企業もなかなか個性的だ。
* PR TIMESと一緒に「地上の星プロジェクト」
* auエネルギー&ライフと「流れ星でんき」
* タカラスタンダードはホーローを宇宙へ
* トラスコ中山は工具で宇宙産業を支援
電気料金のプラン名が「流れ星でんき」なのは、正直ちょっと好きだ。
実証が成功すれば、2029〜2030年度の商業化も視野に入るという。
結婚式、記念日、街のイベント
—— 夜空に“予約制の流れ星”が流れる未来も、あながち夢物語ではない。
もっとも、2028年に本当に見られるかどうかは、まだ分からない。
宇宙は気まぐれだし、科学は慎重だ。
ただ一つ言えるのは、
失敗を2回やっても、まだ夜空を諦めていない人たちがいるということ。
もし2028年のある夜、空を見上げて、
「あれ、今の流れ星、やけに狙いすましたタイミングじゃない?」
と思ったら——
それ、もしかすると 人類が本気で願った“3度目の流れ星”かもしれない。
そのときは、とりあえず願い事をひとつ。
失敗しても、また挑戦できますように。
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