2026年開催のミラノ・コルティナオリンピック。
公式マスコット「ティナ」と「ミロ」のぬいぐるみが“幻の商品”と呼ばれるほどの人気を集めています。
かわいらしい姿で街中を彩る2人。
でも、そのモデルとなった動物が、今まさに“幻”になりかねない状況にあることをご存じでしょうか。
モチーフは「オコジョ」――雪山のハンター
「ティナ」と「ミロ」のモチーフは、イタチ科の動物「オコジョ」。
アルプス山脈やドロミテ地方、日本では北海道や東北などに生息しています。
夏は茶色、冬は真っ白。
雪に溶け込むその姿は、まさに冬の象徴です。
イタリアのトリノ大学で研究を行うマルコ・グラナータ氏によると、
オコジョは「見た目はかわいいが、自然界屈指のハンター」。
しかし、その強いはずの動物が今、深刻な危機に直面しています。
生存率“1割”という衝撃
温暖化による積雪量の減少。
雪が十分に積もらないまま毛が白くなると、オコジョは逆に目立ってしまいます。
タカやキツネの格好の標的となり、
「冬を越せるのは10匹に1匹」という厳しい現実があるといいます。
さらに、2100年までにイタリア国内の適した生息地の約40%が失われる可能性も指摘されています。
オコジョは、気候変動の象徴的な存在になりつつあります。
冬季五輪そのものが“開催困難”に?
実は危機に直面しているのは、オコジョだけではありません。
冬季オリンピックそのものも、開催地の減少という問題を抱えています。
国際オリンピック委員会(国際オリンピック委員会)の調査では、
> 2040年までに、冬季五輪の雪上競技を開催できる国は10か国程度に限定される可能性
という結果も。
実際、イタリアではこの5年で265か所のスキー場が閉鎖。
今回の大会でも、ほとんどの会場で人工雪が使用されています。
開催時期の前倒しや、競技スケジュールの見直しといった案も浮上している状況です。
マスコットが伝える“もう一つのメッセージ”
グッズの人気をきっかけに、
「オコジョってどんな動物?」
「なぜ絶滅の危機なの?」
と関心が広がることは、確かに希望でもあります。
私たちはつい、メダルの数やスター選手に目を向けがちです。
けれど、オリンピックの舞台である自然そのものが変わりつつあることも、忘れてはいけません。
未来のオリンピックは雪のある場所だけで?
もし開催適地が限られれば、
特定の寒冷地域での“固定開催”という未来も現実味を帯びます。
それは同時に、
「冬」という季節そのものが特別なものになっていく可能性を示しています。
さいごに
「ティナ」と「ミロ」は、ただのかわいいマスコットではありません。
彼らは、気候変動という現実を静かに伝えるメッセンジャーなのかもしれません。
冬を守ることは、スポーツを守ること。
そして、生きものたちの未来を守ること。
次に白い雪を見たとき、
その美しさが“当たり前ではない”ことを、少し思い出してみませんか。
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